・起源
・繁栄
・ブルボン朝での開花からナポレオン帝政へ
その後、独自の装飾様式がフランスで生まれフランスルネサンスの始まりとなる。アンリ4世から引き継がれるルイ13世の名から「ルイ13世様式」と名づけられる。ブルボン家の隆盛は宮廷文化の頂点を極めルイ王朝時代には建築・室内装飾・家具・工芸などと共に額縁様式を確立させる。16世後半には派手で大胆な装飾をもつ荘厳なバロック調の額縁が「ルイ14世様式」として確立。その後幼いルイ15世のレジャンス(摂政)として代行された時期に「レジャンス様式」を挟み17世紀にはバロックからロココへと変化し荘厳さに加え曲線美やパステルカラーを取り入れた優雅な額縁である「ルイ15世様式」へ移行した。しかしルイ16世治下では一転、16世紀に戻ろうとする新古典主義により優雅な曲線や独立した派手な装飾は消えシンプルで直線的な美しさを持つ「ルイ16世様式」となる。これは後のブルボン朝が終わりとなるフランス革命(1789)後のナポレオン帝政時代に生まれる「アンピール様式」へと受け継がれる。歴代のルイ王朝額縁様式は現代でも油彩額縁の基本的な代表様式として受け継がれている。
・継承
同時代フランス以外で代表的な額縁の様式はオランダ・スペイン・イギリス・ドイツなどで同様に各地域によって変化しそれぞれの国に合った額縁様式が形勢される。その後、イギリスのビクトリア王朝(1837-1901)の治下バロックなど初期のルイ様式の影響がみられる「ビクトリアン様式」やアールヌーボーやアールデコと共に特定の様式以外の自由なデザインが取り入れられる。また、19世紀には画家たちアーティストによる独自の額縁が作られるようになり多様なスタイルが生まれ額縁文化が広がり現在に至る。
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