タバナクルフレーム
幕屋縁が主で、エンタブラチュア(古代ギリシァの神殿造りで円柱columnの上に載る梁)を備える形状の一般的に言う“祭壇縁”が代表的で14世紀から16世紀に作られた。初期のイタリアでは1枚の板から削り出す方法で作られたが、大きな物はそれが出来ずパーツごとに加工し接着釘止めされた。4辺同形状なシンプルなプロフィール形状も存在する。無論、教会や大聖堂に置かれ宗教的な祈りが目的である。
カセッタフレーム
“小箱”の意味合いがあるこの様式はイタリアで誕生した。プロフィールの特徴はやや中央の平らなフリーズの内と外に立ち上がったモールディングがあること。この形状はタバナクルフレームの幕屋縁の内側の形状から進化(簡素化)かしたもの。絵画も宗教的目的から少しずつ芸術的目的が出始め、シンプルなプロフィールが求められた。また同時に額縁史の中でカセッタフレームが現在使われている基本的な額縁のプロトタイプであることの意味合いは大きく注目に値する。
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